建築図面がすっかりCAD(コンピュータを使用して設計や製図をするシステム)に変わり、
手書きで書くことが少なくなってきています。
私も十七~八年前頃から(製図作業や図面作成に時間はかかりますが
正確に処理できる事、編集が容易であること、データー化、ソフト間の互換性があることなど)
CAD図面に切り替えてきました。
二年前 新潟市秋葉区小須戸の店舗(カフェ)併用住宅の設計施工を若い施主さんから頼まれ
四十代の設計士さんに申請等の手伝いをお願いしました。
私がCADのプランニング図面を渡したら、
手書きの図面に書き直して 申請書を作ってきてくれたのです。ビックリしてしまいました。
自分で書いたプランニング図面が 手書き図面になると
まるで別物になって 建物の様子が変わって見えたのです。
温かみが増し 仕上がりが想像出来たのです。
設計士さんが 私と主人の東京の建築学校の後輩でしたので
「手書き図面を見ると 学生時代に課題に追われ手を真っ黒にして
出来あがる事のない建築物を想像していたのを思い出します。」と
伝えましたら静かに笑ってました。
現場が始まり 店舗と家が出来上がるまでの五カ月間
備品も含めCAD図面が幅をきかせて現場をまとめあげました。
けれどいつも頭の中は手書き図面、線の温かさが全体をやさしくまとめてくれている。
手間暇やコストや 時代の流れ以上に大切なものがあるそう思いながら
毎日現場に通いつめました。
手書き図面にこだわった仕事は どんな仕事に反映できると思ってます。
後輩から教えられた事を 私は私なりに考えて 図面を描いていきたいと思います。
逆戻りではない ぬくもりのある手仕事に、していきたいと思ってます。
その事が 建築物にも影響を与えてくれる事、確信しましたから。
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