フラワームーン

毎年、五月の連休の数日を
祭り準備(三条祭り)と称して家仕事に精を出す。
網戸とガラスの汚れを落としたり
家の周りの排水溝の泥上げや草取りをしながら
青春時代に流れていたポップス音楽のワンフレーズ
声には出さず頭の中で口ずさむ。

しかし今年令和2年のお祭りは中止となり
障子戸から葦戸に替えたり
絨毯を竹ラグにと室礼の夏模様に変えるのは
もう少し後伸ばしする事にした。

肌寒い日があったり夏日になったりと落ち着かない気温の中
心も落ち着かない状況でしたけれど
市内に嫁いだ娘家族が泊まったり、
我が家の孫たちがママの実家(これまた市内)に泊まりに行ったりと
例年とは少し違う連休でしたけれど、傍にいてくれる家族はあり難い。
孫たちの可愛さやあどけなさはなによりの救いです。

今回のコロナウィルスのことはいろいろ考えさせられてることがあり
これからも日々考えたり行動に起こしたりとしながら
毎日の暮らしていくのだと痛切に思えた連休でした。

昨晩、今月初めの習い事の日。
空には大きな月が輝いていた。
床の間の掛け軸は【知足】の二文字。力強くそれでいて流れるような文字。
青磁の花入れに、
それはそれは大ぶりにこぼれるように咲いている薄桜色のボタンの花。
蕾が恥ずかしそうに後ろに控えていた。

稽古が始まりお茶をたて静かに時間が過ぎ
茶道具の拝見の時、茶杓の銘を尋ねられた先輩が
【フラワームーン】でしょうか?と (笑)
今晩の月の話になりこの季節のこの月を
フラワームーンと呼ぶのだと聞かされた。

朧月よりフラワームーンにふさわしいかもと
稽古後に見上げた月を見ながら思いました。